- 2025年5月4日
- 2025年5月1日
ガンマ波サウンドが認知症を抑制する?
最近、「ガンマ波サウンド」という言葉を耳にする機会が増えました。ガンマ波とは、瞑想や集中している時に発生します。とくに40Hz前後が記憶や注意力と深く関わっているといわれています。そこで、この40Hzの音をリズムよく耳から取り込むことで、脳のガンマ波リズムを同調させようというのが「ガンマ波サウンド」のアイデアです。
実は、アルツハイマー病などの認知症では、脳内のガンマ波活動が弱まることが多いです。動物実験では、1日1時間程度の40Hzの音を聞かせることで、アルツハイマー病で脳にたまるβアミロイドやタウ蛋白が減少し、記憶力や学習力の低下が抑えられたという報告があります。
人間でも、小規模ながらいくつかの臨床試験が行われています。軽度認知障害のある高齢者にガンマ波サウンドを数週間流し続けたところ、脳波計で40Hz帯域の活性化が確認され、記憶テストでも改善の兆しが見られたと報告されています。ただし、「これで認知症が治る」とはまだ言えない段階です。
実際に、東北地方のケーブルテレビでもこのガンマ波を使用した独自番組の放送を始める予定となっています。またガンマ波と同じ周期で音楽や人の声などを変調した「ガンマ波サウンド」を出すイヤホンも売り出されています。今後、認知症に対する治療として薬やリハビリと組み合わせた補助的な手法として、「ガンマ波サウンド」の今後の大規模研究に期待が寄せられています。