• 2024年8月5日

帯状疱疹ワクチン接種で認知症リスクが低下する?

帯状疱疹ワクチンを接種した人は認知症のリスクが低下したという研究報告が発表されました。では、帯状疱疹ワクチンを接種すれば認知症になりにくくなるということでしょうか。

The recombinant shingles vaccine is associated with lower risk of dementia – PubMed (nih.gov)

この研究では、帯状疱疹のワクチンのひとつ「シングリックス」を接種したグループとその他の帯状疱疹ワクチンを接種したグループそれぞれ約10万人を比較したところ、「シングリックス」を接種したグループでは6年以内に認知症と診断された割合が17%低かったということです。また、インフルエンザワクチンやDPT(破傷風・ジフテリア・百日咳)ワクチンと比較しても、「シングリックス」を接種したグループのほうが、認知症と診断された割合がそれぞれ23%、28%低かったということです。

また、米国人1億1500万人以上を対象とした他の研究でも同様の研究結果が発表されています。

aaic-congress-presence-30-july-2024.pdf (gsk.com)

では、「シングリックス」を接種すると、認知症になるリスクは減らせるのでしょうか? このような報告があるとテレビのバラエティー番組では、「シングリックス」を接種すると、認知症になるリスクは減らせる、ように紹介されることがあります。実は、この結果だけではそこまではわかりませんし、その機序もはっきりとはわかっていません。認知症の予防に対してはまだ不明ですが、帯状疱疹の予防に「シングリックス」は有効ですし、帯状疱疹後の痛みに悩まされている方もいることは事実です。認知症になるリスクが減らせるかもしれない、という期待を持ちながら、帯状疱疹予防で「シングリックス」を接種する、というのが今のところ正しいことと思われます。

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