- 2025年4月27日
日本では諸外国に比べピロリ菌の感染率が高いんです。
日本では、諸外国に比べて胃がんの発生率が高いことが知られています。その背景には、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染率の高さや、塩分を多く含む食文化、そして過去の衛生環境の違いが大きく関係しています。特に高齢の方々では、若い世代に比べてピロリ菌感染率が高く、胃がんのリスクも高い傾向にあります。
一方、欧米諸国では冷蔵技術の普及や食生活の違いにより、胃がんの発生率はもともと低く、さらに減少傾向が続いています。しかし、胃の噴門部にできる別タイプのがんが増えるなど、日本とは異なる課題を抱えています。
日本では、早期の胃がんは自覚症状がほとんどなく進行してしまうことが多く、症状が現れたときにはすでに進行している場合も少なくありません。しかし、早期発見ができれば、内視鏡治療で身体への負担を最小限に抑えながら完治を目指すことも可能です。そのためにも、定期的な胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)によるチェックがとても大切になります。
胃カメラ検査では、直接胃の中を観察することで、小さな異常や早期がんを見逃さずに発見できます。また、必要に応じて組織検査(生検)を行うことで、さらに正確な診断が可能です。検査そのものは多少の不快感を伴う場合もありますが、近年では鎮静剤を使用して、楽に受けられる方法も普及しています。 「症状がないから大丈夫」と思っていても、胃がんは静かに進行する病気です。今の自分の健康状態を知るために、そして未来の安心のために、ぜひ胃カメラ検査を受けることをおすすめします。特に、ピロリ菌感染の既往がある方、家族に胃がんの経験者がいる方、また胃もたれや胸やけなど気になる症状がある方は、一度検査を受けることを前向きにご検討ください。