• 2025年6月29日

歯磨きと便秘って関係あるの?──意外と深いつながりとは

「歯磨き」と「便秘」──この2つに何の関係があるの?と驚かれるかもしれませんが、実は、最近の研究や臨床の現場から、口の健康と腸の健康は密接に関係していることがわかってきています。

◆口の中の菌が腸に影響する?  私たちの口の中には、実に数百種類以上の細菌がすんでいます。その中には善玉菌もいれば、虫歯や歯周病の原因になる悪玉菌も。歯磨きを怠ると、この悪玉菌が増えてしまいます。食事や唾液を通してこれらの細菌が腸まで届くと、腸内のバランス(腸内フローラ)を乱す原因になります。腸内環境が悪化すると、腸の動きが鈍くなり、便秘を引き起こしやすくなるのです。

◆ 歯周病菌は腸の炎症も引き起こす? 特に注目されているのが、歯周病菌のひとつである「ポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis)」という菌です。この菌は、腸に入ると炎症を引き起こしたり、腸のバリア機能を低下させることが分かっています。その結果、腸の中で有害な物質が増えたり、便の動きが悪くなったりして、慢性的な便秘につながる可能性があるのです。

◆ 歯磨きが生活リズムを整える? もうひとつ、歯磨きには意外な効果があります。それは、生活のリズムを整える「スイッチ」になることです。「朝起きて顔を洗い、歯を磨く」「夜寝る前に歯を磨く」という動作は、体のリズムを作る大切なルーティンです。こうした習慣が整うと、自律神経が安定し、腸の働きもスムーズになりやすいのです。

便秘対策というと、まずは「食物繊維」や「水分補給」「運動」が思い浮かびますが、実は「お口のケア」も立派な便秘対策となるのです。毎日の歯磨きをしっかり行い、口腔内の環境を整えることで、腸内の菌バランスも守ることができます。「最近お腹の調子がよくないな…」という方は、ぜひ歯磨き習慣にも注目してみてくださいね。

秋葉町ゆいクリニック 050-3355-5321 ホームページ