- 2025年9月7日
- 2025年9月6日
「突然の激しい頭痛…」可逆性脳血管攣縮症候群という病気
先日、50代の女性が「突然、雷に打たれたような頭痛が走った」と受診されました。
これまも頭痛はよくあったようですが、今回の頭痛は「今までに感じたことがない痛みで、とても不安になった」とおっしゃっていました。
診察のあと、すぐに頭部のMRIとMRA(脳血管の検査)を行ったところ、脳の血管が一時的にけいれんしたように細くなっている状態が確認されました(写真上側)。診断は 可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS) でした。
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)とは、脳の血管が一時的に縮んでしまい、強い頭痛を繰り返す病気です。
「可逆性」という名前の通り、多くの場合は数週間〜数か月で血管の状態は自然に回復していきます。
症状の特徴
●突然始まる、とても強い頭痛(「雷鳴頭痛」とも呼ばれます)
●数日〜数週間にわたって、同じような激しい頭痛が繰り返されることがあります
●まれに脳梗塞や脳出血を合併することもあるため注意が必要です
今回の患者さんも、典型的な「突然の激しい頭痛」だったため、早期に検査・診断につながりました。
治療は、鎮痛薬、血管攣縮に対する薬、高血圧であれば血圧の管理などを行いつつ、安定剤、抗てんかん薬なども使用します。
今回の患者さんも内服治療を開始し、幸い合併症はなく経過し、数か月で血管が元に戻りました(写真下側)。
「今までにない強い頭痛」は、ただの頭痛ではなく、命に関わる病気のサインかもしれません。
可逆性脳血管攣縮症候群もその一つです。
●突然の経験したことのない頭痛
●何度も繰り返す激しい頭痛
こうした症状があるときは、放置せず早めの受診がとても大切です。
当院でもMRIを含めた精密検査が可能ですので、不安な症状があればお気軽にご相談ください。

