- 2025年10月5日
なかなか取れない疲れ…それは「慢性疲労症候群」かもしれません
「しっかり休んでも疲れが抜けない」「少し動くだけでぐったりしてしまう」——そんな症状に悩んでいませんか?
単なる疲労や過労ではなく、慢性疲労症候群と呼ばれる病気の可能性があります。最近では筋痛性脳脊髄炎とも呼ばれています。
慢性疲労症候群は、原因がはっきりしない強い疲労が長期間(通常6か月以上)続き、日常生活に大きな支障をきたす病気です。特徴的なのは、休んでも疲れが改善しないこと、さらに軽い運動や活動のあとに症状が悪化する(これを「労作後疲労」といいます)ことです。
主な症状
・強い疲労感が長期間続く
・睡眠をとっても回復しない
・集中力や記憶力の低下(「ブレインフォグ」と呼ばれることも)
・筋肉痛、関節痛、頭痛
・めまいや動悸
・微熱やのどの痛み
症状は人によって異なり、良い日と悪い日を繰り返すこともあります。
なぜ起こるのか、はっきりとした原因はわかっていませんが、ウイルス感染後や免疫の異常、自律神経の乱れなどが関わると考えられています。ストレスや生活環境の影響で悪化する場合もあります。
残念ながら「これで治る」という特効薬はまだありません。ただし、
・睡眠リズムを整える
・無理のない範囲で活動量を調整する
・栄養や水分をしっかりとる
・症状に応じた薬の使用(痛み止め、睡眠導入剤など)
といった工夫で生活が楽になることがあります。最近は研究も進んでおり、新しい治療法が検討されています。
「疲れやすいのは年齢のせいかな」と思っていても、実は慢性疲労症候群だった…という方も少なくありません。
長引く強い疲労や体調不良に悩んでいる方は、我慢せず医師にご相談ください。小さな工夫や治療で、生活の質を取り戻すことができます。