• 2025年11月2日

尿の通り道が詰まると腎臓が弱る ― 腎後性腎不全とは

腎臓は、血液の中から老廃物や余分な水分をこし取って尿として体の外へ排出する、大切な臓器です。ところが、この尿の通り道(尿路)がどこかで詰まってしまうと、尿が腎臓に逆流して圧がかかり、腎臓がうまく働けなくなります。この状態を「腎後性腎不全」といいます。

たとえば、前立腺肥大症で尿道が狭くなったり、尿路結石が尿管に詰まったりする場合が代表的です。また、がんによる圧迫(たとえば子宮がんや大腸がんなど)が原因となることもあります。これらはいずれも「腎臓より後の部分」に問題があるため、「腎後性」と呼ばれます。

症状としては、尿の出が悪い・出なくなった・腰や下腹部の痛み・むくみ・だるさなどがみられます。放っておくと腎臓に強い負担がかかり、急激に腎機能が低下して命に関わることもあります。

診断には、血液検査や尿検査に加えて、超音波(エコー)検査やCT検査で尿路の詰まり具合を確認します。治療は、まず尿の流れを確保することが最優先です。カテーテル(管)を入れて尿を外に出す処置や、詰まりの原因となる結石や前立腺肥大の治療を行います。尿の通りが改善すると、腎臓の働きが回復することも多くあります。

腎後性腎不全は、原因を取り除けば回復が期待できるタイプの腎不全です。尿の出が悪い、腰が重い、足がむくむなどの症状を感じたら、早めに受診することが大切です。特に前立腺肥大や結石の既往がある方は、定期的なチェックを受けておくと安心です。

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