• 2025年11月16日

足がつる(こむら返り)ってどうして起きるの?

夜中にふくらはぎが突然つって、思わず飛び起きた――。
そんな経験をお持ちの方は少なくありません。足がつること自体は珍しいことではありませんが、続くと睡眠を妨げたり、日常生活に支障をきたすこともあります。

そもそも「足がつる」とは?
俗に「こむら返り」と呼ばれる状態で、筋肉が急激に収縮し、強い痙攣を起こしている状態です。
痛みを伴うことが多く、特にふくらはぎに起こりやすいのが特徴です。通常は数分以内に治まりますが、人によっては痛みが数日続いたり、頻回に起こる場合もあります。

こむら返りの背景には、いくつかの要因が複雑に関わっています。
 ① 筋肉の疲労
長時間の立ち仕事・歩行・運動後など、筋肉の疲れが蓄積するとつりやすくなります。
② 水分・電解質(塩分・ミネラル)の不足
汗をかく季節や運動時に、水分だけを補給して塩分が不足すると、筋肉の働きが乱れやすくなります。
 ③ 冷えや血行不良
気温が低いと血流が悪くなり、筋肉の代謝が低下します。冬や就寝中に多いのはこのためです。
 ④ 加齢による筋肉量の低下
年齢とともに筋肉量が減るにつれ、つりやすさも増していきます。60代以降の方で訴えが増える傾向があります。
⑤ 服薬の影響
利尿薬・降圧薬の一部・コレステロールの薬(スタチン系)など、内服が原因となる場合もあります。
⑥ 持病の影響
糖尿病、甲状腺の病気、肝硬変、腎臓病、静脈瘤などでもこむら返りが起こりやすくなります。

夜間のこむら返りは
・就寝中の軽い脱水
・体温低下による血流の悪化
・足元の冷え
・日中の運動や立ち仕事の疲労
が多く関係しています。
特に冬は、寝室が冷えることで筋肉が収縮しやすくなり、こむら返りが増える傾向があります。

予防策としては
1. 就寝前に軽いストレッチ
ふくらはぎ~アキレス腱をゆっくり伸ばすだけで予防効果があります。
反動をつけず、20~30秒ほどゆっくり伸ばすのがポイント。
2. 足元の冷え対策
レッグウォーマーや薄手の靴下など、「冷やさない」だけで改善する方も多いです。特に冬はふくらはぎの冷え対策が重要です。
3. 適度な水分と塩分補給
寝る前にコップ半分の水分をとるのも有効です(トイレが近くならない程度に)。
4. 運動後のケア
ウォーキングやランニングの後は、軽いストレッチやマッサージで筋肉を緩めておきましょう。
5. ミネラル(特にマグネシウム)を意識した食事
豆類、海藻、ナッツ類、ほうれん草などを日常的に取り入れると効果があります。

起きてしまったときの対処法は
① ゆっくりストレッチ
つった側の足を伸ばし、足首を手前に引くようにします。
無理に強く伸ばすと筋肉を傷めることがあるので、痛みが落ち着くまで焦らずゆっくりと行うことがポイントです。
② 温める
痛みが落ち着いてきたら 温める
③ マッサージ
痛みが和らいだ段階で軽く揉むと血流が改善しやすくなります。

足がつること自体はよくある現象ですが、次の場合は一度ご相談ください。
・頻繁に起こる(週数回以上)
・むくみやしびれを伴う
・歩くとすぐに痛くなる(閉塞性動脈硬化症の可能性)
・患っている病気や服薬との関連が疑われる
・高齢で転倒のリスクが心配
原因を調べ、必要に応じて内服薬を使用することもあります。

足がつること自体は珍しい症状ではありませんが、繰り返すと睡眠の質や日常生活に影響します。
一方で、日常のちょっとした工夫で予防できることも多いのが特徴です。
気になる症状が続く場合は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。患者さんのお身体の状態に合わせて、適切なアドバイスや治療をご提案いたします。

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