- 2025年12月21日
認知症と歯周病の意外な関係― お口の健康が脳を守る可能性 ―
「歯周病は歯の病気」と思われがちですが、近年、認知症との関連が注目されています。歯周病は単なるお口のトラブルにとどまらず、全身の健康、さらには脳の健康にも影響を及ぼす可能性があるのです。
歯周病が脳に影響する理由
歯周病は、歯ぐきに慢性的な炎症を起こす病気です。この炎症によって生じる炎症物質や歯周病菌が血流に乗って全身に広がると、脳の炎症を助長する可能性があります。
実際、アルツハイマー型認知症の患者さんの脳内から、歯周病菌の一種が検出されたという研究報告もあります。
噛む力の低下もリスクに
歯周病で歯を失うと、噛む刺激が脳に伝わりにくくなります。噛む行為は脳の血流を増やし、記憶や判断に関わる領域を活性化させることが分かっており、歯の喪失は認知機能低下の一因になり得ます。
今日からできる予防
認知症を完全に防ぐことは難しくても、歯周病の予防・治療は今すぐできる対策です。
・毎日の丁寧な歯みがき
・定期的な歯科受診と歯石除去
・歯ぐきの腫れや出血を放置しない
これらは、お口だけでなく全身の健康を守る行動でもあります。
歯周病ケアは「歯を守る」だけでなく、将来の脳の健康を守る可能性がある習慣です。気になる症状がある方は、早めに歯科や医療機関へ相談しましょう。日々の小さな積み重ねが、将来の大きな安心につながります。