• 2025年12月28日

電話では分からない認知症のサイン― 年末年始の帰省で気づいてほしいこと ―

「電話では元気そうだったから大丈夫」。
実は、認知症は電話だけでは気づきにくい病気です。会話が成立していても、実際に会ってみると「あれ?」と感じることは少なくありません。年末年始の帰省は、ご家族の変化に気づく大切な機会でもあります。

電話では分かりにくい理由
初期の認知症では、言葉のやり取りや昔の記憶は比較的保たれることが多く、短時間の電話では違和感が出にくいのが特徴です。一方で、日常生活を管理する力(遂行機能)は早期から低下することが知られています。

帰省時に気にしたいポイント
実際に会ったときには、次のような点に注目してみてください。
・同じ話や質問を何度も繰り返す
・日付や曜日、予定を把握できていない
・服装が季節に合っていない
・冷蔵庫の中が極端に偏っている、食品が期限切れ
・薬の飲み忘れや重複がある
これらは、アルツハイマー型認知症などで早期から見られる変化です。

「年のせい」と決めつけない
加齢による物忘れは、「体験の一部を忘れる」のに対し、認知症では体験そのものを忘れる傾向があります。また、本人に自覚が乏しいことも医学的に知られています。

気づいたら、早めの相談を
認知症は、早期に対応することで進行を遅らせられる場合があります。「まだ大丈夫」と様子を見るよりも、気になる変化があれば医療機関に相談することが、ご本人とご家族双方の安心につながります。
年末年始の何気ない時間が、将来を守る第一歩になるかもしれません。

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