- 2024年8月11日
子宮頸がんの予防のためのワクチン接種はおすみですか?
子宮頸がんは若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんで、日本では25~40歳の女性のがんによる死亡の第2位で、毎年、約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発生することが分かっています。このウイルスは非常にありふれたウイルスで150種類以上あり、初回性交後4~5年で50~60%の女性が感染するともいわれています。感染したからと言って、すべて子宮頸がんになるというわけではありません。HPVの中でも子宮頸がんになりやすい型に対するワクチンがHPVワクチンであり、9価HPVワクチンであれば子宮頸がんの原因の80~90%のHPVの感染を予防することができます。
HPVワクチンは高価ではありますが、公費で無料摂取ができます。その対象者は、通常小学校6年から高校1年相当の方々です。しかし現在、小学校6年から高校1年の頃にHPVワクチンの接種の機会を逃した方に厚生労働省があらためてHPVワクチンの接種の機会をご提供しています。対象者は、誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日の女性で、HPVワクチンを接種してない方です。ただし、すべてのワクチン接種を公費で行うためには2025年3月までに3回のワクチン接種を行う必要があります。そのため、1回目のワクチン接種を2024年9月中に行う必要があります。
しかし、HPVワクチンを行ったからと言って子宮頸がんを100%予防できるわけではありません。日本は他の先進国に比べ子宮頸がんへの予防への意識が低く、アメリカでは子宮頸がん検診受診率は80%を超えるのに対し、日本では44%と低い受診率になっています。子宮頸がんに対する対策としては、HPVワクチン接種を行い、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。