• 2024年9月17日

泣くことはいい事なんです

みなさんは最近涙を流したことはありますか? 涙は目を乾燥や感染から守る大事な働きがあります。それ以外に、ごみが入った時や玉ねぎを切った時、体をぶつけて痛みを伴った時、悲しみやうれしいなどの感情が高ぶった時などにも涙は出てきます。ごみが入った時や玉ねぎを切った時などは、目に対する刺激が引き金となり涙が出るので、目の感覚に関係する三叉神経が関与して涙が出ます。

これに対し、痛みや感情の高ぶりに伴う涙には自律神経が関係してきます。痛みや怒りやくやしさなどの感情があると交感神経が優位になります。交感神経が優位になると血管が収縮して、涙腺が締まり気味になり多くの涙は出ません。涙の中にもナトリウムが含まれるので、この時の涙はやや塩辛く感じます。逆に、悲しみやうれしいなど感情が高ぶった時は副交感神経が優位になるので、血管が拡張し、涙腺がゆるむので多くの涙が出ます。水分も多くなるので相対的にナトリウム濃度は下がり、あまり味はしなくなります。

歳をとると涙もろくなりますね。これも副交感神経優位の涙です。これは大脳の前頭葉という部分の機能が関係してきます。前頭葉は、感情の制御や物事に共感する感情などもつかさどっている部分です。年をとることで感情の抑制する機能が少し落ちることと、多くの経験から物事に対する共感力が刺激されやすくなっていることが関係してきます。このような副交感神経が優位な状態は、ストレスにさらされた状態から、心身をリラックスさせる働きがあります。このような涙を流した後になぜか気持ちがスッキリしたと感じるのはこのためです。

味のしない涙をよく流している人は心身ともにストレスにさらされてない、多くのものに共感できる人間味豊かな人といえるのでしょう。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/129/2/129_2_99/_pdf

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