- 2024年10月8日
彼岸花と認知症の薬との関係
彼岸花は秋のお彼岸の頃に咲いているものですが、今年は猛暑のせいでだいぶ咲く時期が遅れてしまいました。
彼岸花は水田や墓地によく見られますよね。なんでかはご存じですか。彼岸花の鱗茎には作用の激しいアルカロイドという毒があるためなんです。水田のそばに植えるのは、水田の土に穴をあける虫やネズミ、モグラなどが、毒を嫌って避けるようにするためといわれています。墓地に植えられているのは、土葬された後に、お墓が動物に荒らされないようにするためなので、現在ではそのような意味合いはないと思います。
このような「毒」のある彼岸花ですが、薬として使用されている成分も含みます。鱗茎からつくられる生薬を「石蒜(せきさん)」といい、鎮咳去痰や鎮痛、降圧、催吐などの薬理作用があり、市販の鎮咳薬にも配合されています。
また、彼岸花の鱗茎にはガランタミンという物質も含まれています。このガランタミンは、認知症に対して使用する薬です。もともとは、旧ソ連の薬理学者、マシュコフスキーが、民間療法で頭痛やポリオの子供にヒガンバナ科のスノードロップ(=ガランサス)が使われていることから、その成分であるガランタミンを分離しております。その後、ガランタミンが認知症研究者によって認知症の薬として使用されることになりました。
話は変わりますが、彼岸花は別名、曼珠沙華(マンジュシャゲ)と言われます。昔、山口百恵 さんが、曼珠沙華(マンジューシャカ)を歌っていたのが懐かしく思い出されます。