夜中に目が覚めるほどの頭痛…これって何？

「朝方、頭の痛みで目が覚める」ということで来院された方がいらっしゃいました。──そんな経験された方、いらっしゃいますか？

このように、睡眠中や目覚める頃に起こる頭痛は、「睡眠時頭痛」の可能性があります。同じように睡眠中に起こる頭痛として、群発頭痛、片頭痛、緊張型頭痛などもありますし、二次性頭痛として、くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍、睡眠時無呼吸症候群などの場合もあります。きちんとした診断は必要であり、診断の為には、痛みの時間帯や持続時間、痛みの部位などが診断のカギになります。

睡眠時頭痛自体は稀な病気であり、50歳以上の中高年の女性に多い傾向があります。鈍い頭痛が前頭部もしくは頭全体にあるのが特徴ですが、1/3では片側の痛みのこともあり、脈打つ様な頭痛のこともあります。頭痛は15分～4時間程度続きます。

睡眠時頭痛の対処法として、カフェインの摂取が有効とされますが、カフェインを夕方以降に摂取すると睡眠に影響を与えるおそれがあり注意が必要です。カフェイン以外にリチウムやインドメタシン、メラトニン、ラメルテオンなどが有効とされています。

「頭痛で目が覚める」というのは、睡眠の質が落ちるだけでなく、日中の生活にも大きな影響を与えます。また、頭痛で目が覚めているのに「起床時の頭痛＝睡眠不足」と思い込んでしまい、見逃されがちなのも現実です。もし、「最近、夜や朝方に頭痛で目が覚めることが多い」と感じているなら、我慢せずに頭痛外来などでご相談ください。原因をしっかり見つけ、対策を一緒に考えていきましょう。