• 2024年9月23日

カレーが認知症を予防する?

カレーを食べると認知症を予防できる可能性がある、という話をこのところよく聞く気がします。今日もテレビでそのような話がされていました。

食生活の違いで、認知症になりにくくなるという研究は多くあります。カレーもその一つです。では、なぜカレーを食べると認知症になりにくくなると言われているのでしょうか。カレーの黄色い色は、そのスパイスの一つであるターメリック(ウコン)の色なのです(ちなみにグリーンカレーのような黄色くないカレーには含まれていません)。アルツハイマー病になると、その原因とされる「アミロイドβタンパク(Aβ)」が脳の中で凝集(塊を作ること)するのですが、このターメリック(ウコン)主成分であるクルクミンはAβの凝集を抑える働きがあることがわかってきました。クルクミンは、食べても消化管から吸収されにくく、体内に入るのはごく微量なので食べ方にも工夫は必要です。クルクミンの吸収をよくするものはいろいろありますが、豆もその一つです。インドでは豆のカレーのダールタルカが良く食べられているようです。

また、ある研究によると、インド人の認知症患者は、アメリカ人の4分の1だそうです。

このような話からすると、「カレー」=「認知症予防食」みたいに思えますが、カレーばかり食べることは推奨できません。カレーが認知症予防に効果があったとしても、カレー1食分のカロリーはやや高めであるし、カレーは飲み物という人もいて、あまり咀嚼しないことも問題とおもえます。また、日本でのカレーとインドでのカレーは同じものでないことも理解しておかなければいけないことです。認知症の予防に良いとされる食材はたくさんあります。また、認知症ばかりを気にして他の病気になっても元も子もありません。食事に関しては、偏りのないいろいろな食材を腹八分目に食べるのがいいでしょう。

テレビや大衆雑誌では、試験管で行った実験データを拡大解釈して、「○○を食べると△△に効く」という話題がよく取り上げられます。あまり、このような話を鵜呑みにすることはよくないです。

認知症に一番いいのは、日々の刺激です。体を動かすこと、話をすること、頭を使うこと、感動することなどです。

アルツハイマーデーは過ぎてしましましたが、これはその翌日、9月22日の夕日です。これは自然の風景ですが、同じようなオレンジ色のライトアップを見た方もいるかもしれません。ライトアップでも自然の風景でもいつもと少し違う情景を見に行こう、とすることは大切です。

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