• 2026年8月2日

お腹が痛いのに検査では異常なし…それは「腹部片頭痛」かもしれません

「何度もお腹が痛くなるのに、胃カメラや血液検査では異常がない」
「腹痛と吐き気を繰り返し、学校や仕事を休んでしまう」
「頭痛はないのに、お腹の痛みばかり続く」
このような症状がある場合、腹部片頭痛(Abdominal Migraine)という病気が隠れていることがあります。
あまり聞き慣れない病気ですが、特に小児に多く、大人でも発症することがあります。

腹部片頭痛とは?
腹部片頭痛とは、片頭痛の一種で、お腹に症状が現れる病気です。
頭痛が主症状ではなく、
・おへその周りやみぞおちの痛み
・吐き気
・嘔吐
・食欲低下
などを繰り返すことが特徴です。
発作が治まると普段通り元気になることが多く、そのため原因がわからず長年悩んでいる方も少なくありません。

どのような症状が現れる?
腹部片頭痛では次のような症状がみられます。
・おへその周囲を中心とした腹痛
・鈍い痛みや締め付けられるような痛み
・数時間から長いと2~3日続くこともある
・吐き気や嘔吐
・食欲がなくなる
・顔色が悪くなる
・ぐったりする
特徴的なのは、発作のない時はまったく元気という点です。
また、成長とともに腹痛が減り、代わりに一般的な片頭痛を発症する方もいます。

なぜ起こるのでしょう?
はっきりした原因はまだ分かっていませんが、片頭痛と同じように、
・脳と腸をつなぐ神経の働き
・自律神経の乱れ
・セロトニンなどの神経伝達物質
が関係していると考えられています。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど神経が豊富な臓器です。
そのため、片頭痛の仕組みが頭ではなく腸で起こることで腹痛が生じると考えられています。

きっかけになるもの
腹部片頭痛には、頭痛の片頭痛と同じような誘因があります。
・睡眠不足
・疲労
・ストレス
・空腹
・天候の変化
・月経
・強い光や騒音
これらが重なることで発作が起こりやすくなります。

他の病気との見分けが大切です
腹痛を起こす場合に、
・急性胃腸炎
・虫垂炎
・胃潰瘍
・胆石
・過敏性腸症候群(IBS)
・炎症性腸疾患
・婦人科疾患

など、さまざまな病気が原因となる事があります。
腹部片頭痛は「これらの腹痛を起こす病気ではないこと」を確認したうえで診断されます。
そのため、必要に応じて血液検査や超音波検査、CT検査などを行うことがあります。

MRIが役立つこともあります
腹部片頭痛そのものはMRIで診断できる病気ではありません。
しかし、腹部片頭痛と似た症状の中には、脳の病気が原因となって吐き気や腹痛を起こすことがあります。
特に、
・頭痛を伴う
・朝方に症状が強い
・手足のしびれやふらつきがある
・症状が徐々に悪化している
といった場合には、脳MRIによる精査が必要になることがあります。

治療
発作時には、
・静かな場所で休む
・水分補給
・必要に応じて鎮痛薬や吐き気止めの投与
を行います。
頭痛を伴う場合や症状が強い場合には、片頭痛の治療薬(トリプタン製剤など)が有効なこともあります。
また、
・規則正しい睡眠
・朝食を抜かない
・ストレスをためない
・発作のきっかけを記録する
といった生活習慣の改善も予防に役立ちます。

腹部片頭痛はあまり知られていない病気ですが、適切に診断し治療することで症状の改善が期待できます。
「原因が分からない腹痛だから仕方がない」とあきらめず、お気軽にご相談ください。

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