- 2026年4月19日
- 2026年4月17日
股関節レントゲン検査と「生殖腺遮蔽(せいしょくせんしゃへい)」の見直しについて
股関節レントゲン検査と「生殖腺遮蔽(せいしょくせんしゃへい)」の見直しについて
最近、「レントゲンのときにお腹に鉛のカバーをかけなくなったのはなぜですか?」というご質問をいただくことがあります。
これは、医療現場で「生殖腺遮蔽(せいしょくせんしゃへい)」の考え方が見直されてきているためです。
■ 生殖腺遮蔽とは?
これまで、股関節や骨盤のレントゲン撮影では、将来の影響を考えて、卵巣や精巣の部分に鉛の防護カバーを当てることが一般的でした。
■ なぜ見直されているのか?
近年、国内外の放射線医学の学会では、以下の理由から「必ずしも必要ではない」とする考え方が広がっています。
① 放射線量が大幅に低減している
現在のレントゲン機器は非常に性能が高く、被ばく量は以前と比べて大きく減っています。
② 遺伝的影響のリスクは極めて低い
長年の研究により、診断レベルの放射線による将来の遺伝的影響は「ほぼ無視できるレベル」と考えられています。
③ 診断の妨げになることがある
防護カバーの位置が少しでもずれると、重要な部分が隠れてしまい、正確な診断ができなくなる可能性があります。
その結果、撮り直しになれば、かえって被ばくが増えてしまいます。
https://www.jsrt.or.jp/data/wp-content/uploads/2025/04/18627ac60bea9426e441dbc5028cf2fc.pdf
■ 当院の考え方
当院では、最新の知見に基づき、基本的には生殖腺遮蔽を行わない方針としています。
その代わりに、
・必要最小限の撮影回数
・適切な撮影条件の設定
・不要な被ばくを避ける工夫
を徹底し、安全性の確保に努めています。
■ ご不安な方へ
「やはり遮蔽をしてほしい」というご希望がある場合には、遠慮なくお申し出ください。
患者さん一人ひとりの不安に配慮しながら、最適な方法を一緒に考えていきます。
医療は日々進歩しており、「これまで当たり前だったこと」が見直されることもあります。
今回の生殖腺遮蔽の見直しも、より安全で正確な診断を行うための変化です。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。