一般内科とは

一般内科では、日常的によくみられる下記のような症状の患者様を対象として、幅広く診察・検査・治療を行います。具体的には、風邪でよくみられる発熱、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、痰、喉の痛みなどの諸症状をはじめ、日々の生活の乱れが積み重なって起こる糖尿病や高血圧、脂質異常症など、様々な病気の診療を行います。
また体調不良の原因がよくわからないので、どこの診療科に行けばよいかわからないという場合も遠慮なくご受診ください。その際は、患者様の訴えを聞きながら問診や診察を行い、必要な検査も行うなどして、適切なクリニックや病院へご案内いたします。
このような症状があれば一度ご受診ください(例)
- 風邪の症状(発熱、咳、鼻水、喉の痛み)発熱外来予約をお願いします。
- お腹の調子が悪い(腹痛、便秘・下痢など)
- お腹が張る
- 吐き気、嘔吐
- 胸やけ
- 食欲不振
- 胸痛、圧迫感
- 立ちくらみ
- 動悸
- 息切れ
- むくみ
- 尿の異常(出にくい、頻尿、血が混じるなど)
- 発疹
- 疲労感 など
一般内科で取り扱う主な疾患(例)
風邪
風邪は、主にウイルス感染によって引き起こされる上気道炎です。くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱などの症状がいろいろな組み合わせで現れます。コロナウイルスやインフルエンザウイルスを除けば、風邪症状を引き起こすウイルスに対する特効薬は存在しないので、治療は対症療法(症状を和らげる治療)が中心となります。
薬を服用することでつらい症状が緩和されるので、風邪が治ったと思われる方がいらっしゃいますが、風邪の原因ウイルスが薬の効果で減ったわけではありません。十分な休息と水分補給、栄養補給を行うことで自身の免疫力を下げないようにすることが重要です。
ウイルス感染症による風邪には、抗生物質は効果ありませんが、ウイルス感染でなく細菌感染症の場合には抗生物質を使用することがあります。風邪の予防には、手洗い、うがい、マスクの着用などが有効です。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状が強く現れます。重症化すると、肺炎や脳症などを起こし、入院が必要になることもあります。インフルエンザワクチンには、重症化の予防する効果があります。流行ピーク前の12月中旬までにはワクチンを接種し、流行期には人混みを避け、手洗い、うがいを徹底しましょう。
インフルエンザA型は12月ごろから、インフルエンザB型は2月ころから流行る傾向があります。インフルエンザB型は、発熱はするものの高熱にはならずに37度台の熱であることもあり、下痢や腹痛などの症状がみられることもあります。
インフルエンザウイルスに対しては治療薬があります。発症してから48時間以内に治療を開始するのが推奨されています。ただし、発症してから12時間程度経過しないと検査で陽性とならないこともあるので、検査のタイミングにも注意が必要です。
コロナ感染症
コロナウイルスは、風邪の原因となる一般的なウイルスです。重症になることはほとんどありませんが、SARS-CoV-2という種類のコロナウイルスによる感染症は、重症化するリスクが高く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と名前が付けられています。
免疫力が低下している高齢者や、基礎疾患のある方は、重症化のリスクが高いためワクチン接種をお勧めします。新型コロナウイルスに対しては治療薬があります。
咽頭炎(連鎖球菌感染症)
咽頭炎(連鎖球菌感染症)は、A群溶血性連鎖球菌が原因で発症する咽頭や扁桃の炎症です。6~15歳の児童に多く見られ、家族内での感染率は高く、子供から親へ感染することもあります。
症状は、急激な発熱、咽頭痛、嚥下困難、倦怠感などが現れます。また、扁桃に白い膿が付着することや、首のリンパ節の腫れが見られることもあります。咳はほとんど出ず、鼻水、鼻詰まり等の症状も見られないことが多いです。
診断としては、綿棒で喉の分泌物採取し、迅速検査や培養検査を行い診断します。治療には抗生物質が有効です。
肺炎
肺炎は、細菌やウイルス、真菌、アレルギーなど様々な原因でおこります。中でも最も多いのが細菌感染による肺炎です。咳、痰、発熱、胸痛、呼吸困難などの症状が現れますが、原因による症状の違いはありません。胸部レントゲン(X線)検査や血液検査、細菌検査などで診断します。
治療は、原因により異なりますが、細菌性肺炎の場合には抗菌薬の投与を中心に、症状に合わせた治療を行っていきます。子どもや高齢者、免疫力が低下している方が発症しやすく、日本人の死因の上位の病気です。
肺炎を疑う症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。なお、肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌に対しては、発症や重症化を予防する肺炎球菌ワクチンがあります。
気管支喘息
気管支喘息は、気道が慢性的に炎症を起こし、気道が狭くなることで発作的に咳や呼吸困難などの症状が現れる病気です。アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内に侵入することで引き起こされることもあり、運動やストレス、喫煙、風邪などの気道感染症が誘因となって症状が引き起こされることもあります。
診断は、呼吸機能検査やアレルギー検査などで行い、治療には、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などを使用します。アレルゲンの除去や禁煙などの誘因をなくすことも重要です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、強いかゆみのある湿疹が慢性的に繰り返される病気です。原因には、遺伝的要因や環境要因が関わっており、アレルギー刺激やストレスなどが症状を悪化させる因子となっています。
症状や皮膚の状態から診断し、採血検査ではTARC値を測定することで、病状の勢いを調べることができます。治療は、適切なスキンケア、外用薬や内服薬の使用、悪化する原因の検索と対策が基本になります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が鼻の粘膜に接触することでくしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状が現れる病気です。花粉やダニ、ペットの毛などが主なアレルゲンとなり、アレルギー検査(血液検査や皮膚テスト)で診断します。
アレルゲンによっては、1年を通してアレルギー症状を起こす通年性と、ある季節のみにアレルギー症状を起こす季節性(多いものではスギ花粉症)とがあります。治療には、抗アレルギー薬や点鼻薬による薬物療法、アレルゲン免疫療法などがあり、重症の場合は手術が行われることもあります。
花粉症
花粉症は、植物の花粉が原因となって引き起こされるアレルギー性鼻炎です。くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの症状が現れます。
花粉症を引き起こす原因は人によって異なり、スギやヒノキ、シラカバ、イネ、ヨモギ、ブタクサなど様々です。また、発症する時期も原因となる花粉の飛散時期によって変わります。そのため、春先に症状が現れる人もいれば、夏や秋に症状が出る人もいます。本格的な花粉飛散開始前に薬の使用を開始することで、症状をおさえることができます。
じんましん
じんましん(蕁麻疹)は、皮膚に赤みやかゆみを伴う膨疹(盛り上がり)が突然現れる、病気です。数時間から24時間以内に跡かたなく消えることが特徴です。食物や薬物、物理的刺激などが原因となることもありますが、原因がわからないことも多いです。
治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を使用します。原因が分かっている場合は、それを避けるように環境を整えることも大切です。
不整脈
心臓は、通常1分間に60~100回の規則的な拍動をしていますが、そのリズムが乱れた状態を不整脈といいます。脈が飛ぶ感覚が特徴の「期外収縮」、1分間の拍動が100回以上となり動悸や胸痛が起こる「頻脈性不整脈」、1分間の拍動が50回未満となる「徐脈性不整脈」の3つに分類されます。
心電図検査や、ホルター心電図(24時間装着型の心電図)検査を行って診断します。治療は、不整脈の種類や状態に応じて抗不整脈薬などの薬物療法や、外科的手術、ペースメーカーの植え込みなどを行います。
貧血
貧血は、全身に酸素を運ぶ役割を担っている、血液中の赤血球に含まるヘモグロビンの量が少なくなった状態をいいます。そのため体が酸素不足になってめまい、立ちくらみ、疲れやすい、息切れ、動悸などの症状が現れます。女性に多く、約7割がヘモグロビンの元となる鉄が不足することによって生じる鉄欠乏性貧血ですが、それ以外の原因のこともあるので血液検査等で診断を行います。原因に応じて治療を行いますが、鉄欠乏性貧血の場合は鉄剤の投与を行います。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱に炎症が起こった状態のことで、膀胱に細菌が感染して炎症が起こる細菌性膀胱炎が多いです。細菌感染以外に薬剤や腫瘍、放射線治療が原因となる事もあります。細菌性膀胱炎は女性が発症しやすく、頻尿、排尿痛、残尿感などの症状が現れます。
尿検査で尿中の白血球数や細菌がいるかなどを調べて診断します。細菌性膀胱炎の治療には、抗菌薬の投与などを行います。細菌性膀胱炎の予防には、普段から水分を十分に摂取し、トイレを我慢しないことが大切です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主にタバコ煙などの有害物質を長期にわたり吸入することで気道に炎症が起こり、呼吸機能が徐々に低下していく病気です。咳、痰、息切れなどの症状が現れます。
胸部レントゲン検査や胸部CT検査、呼吸機能検査(スパイロメトリー)を行い診断します。治療は、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬、去痰薬などを用いた薬物療法が行われますが、まずは禁煙することが最も重要です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が停止する疾患で、特に閉塞性(気道の閉塞)と中枢性(脳の呼吸指令の異常)の2種類があります。放置すると高血圧や心疾患、脳卒中などの合併症を引き起こすリスクが増します。症状は睡眠中のいびきや無呼吸、日中の強い眠気などで、生活の質に大きく影響します。治療には、生活習慣の改善、CPAP療法(気道に空気を送り込む装置)、口腔内装置(マウスピース)、場合により手術などがあり、適切な治療で症状改善が期待できます。当院では、自宅で簡単に実施できる睡眠時無呼吸の検査が可能です。
簡易睡眠時無呼吸検査について
不眠症
不眠症は、睡眠障害の一つで、睡眠に何らかの問題があり、日中の生活に支障をきたした状態をいいます。なかなか寝つけない「入眠障害」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ぐっすり眠れた感じが得られない「熟眠障害」などのタイプに分類されます。
原因は、生活リズムの乱れやストレス、ほかの病気によるものなど様々です。原因を特定し、対処していくことが重要です。
狭心症
狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈が狭くなることで、一時的に心筋への血液供給が不足した状態をいいます。主な原因は、動脈硬化により血管内が狭くなることです
症状としては、胸の圧迫感や痛み、息苦しさ、顎や歯の痛み、左肩の痛みなどの症状があり、多くの場合、運動やストレスにより誘発されます。これを労作性狭心症と呼びます。一方、安静時にも症状が現れる場合は、安静時狭心症といいます。
治療には、生活習慣の改善(食事療法、節酒、禁煙)、薬物療法、必要に応じて冠動脈形成術やバイパス手術が行われます。
心筋梗塞
心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を供給する冠動脈が血栓などで完全に詰まり、心筋が壊死する病気です。原因の多くは血管の中の脂肪のかたまり(プラーク)が破れて血のかたまり(血栓)ができることです。
症状としては、胸が強く締め付けられるような痛みが起きるほか、その痛みが肩や腕、あごなどに広がることがあります。息切れや冷や汗、吐き気を伴うこともあります。血圧が下がることでショック状態になる事もあります。前胸部の強烈な痛みが続く場合には緊急でのカテーテル治療(冠動脈形成術)等が必要となります。
また、再発予防が大切で、生活習慣の改善(禁煙、減量)や、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症)の治療を行うことが大切です。
前立腺肥大症
前立腺肥大症は、加齢とともに尿道を取り囲んでいる前立腺が肥大し、尿道が圧迫されることで排尿障害が起こる疾患です。尿道が圧迫されるので尿を勢いよく出せない(尿勢低下)、すべての尿が出せなくて尿が残っている感じがする(残尿感)、残尿があるためにすぐに膀胱に尿がたまってしまい尿の回数が多くなる(頻尿)などの症状が現れます。
治療としては、まずは薬物療法を行い、それでも症状が改善されない場合は手術療法も検討されます。